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BTS問題にみるエンタメと政治の関係性

騒ぎになってるBTSのTシャツ問題…エンタメにかかる仕事もしてる1人として、ちょっと思う事を書いてみたいと思います。

前提として、私は韓国の文化が好きで友人も多く、よく訪韓することもこのnoteでも語っていますが、政治的な観点から一つの国を擁護するというような思想は持ち合わせていません。 
異なる国で育った人々が、異なる価値観を持つのは当然のことで「ただ異なる」というだけです。
国際社会の現代において、その多様性を認める事は何より大切な事です。
また、特段BTSのファンでもありませんし、あくまで客観的な立場からの一個人の見解です。

2018年現在、彼らBTSのエンターテイメント力というのは、事実としてK-POPという枠組みを超え、世界レベルで群を抜いている存在です。
米国やヨーロッパでも人気が非常に高く、米ビルボードの1位を何週にも渡ってとっており、今回のワールドツアーもものの15分で全行程トータル約800億円のチケットが完売だったと言われています。
そのため、今回のTシャツからの日本のTV出演キャンセルというニュースはCNNやBBCでも報じられることとなっています。

日本に稼ぎにきて云々…等も言われていますが、はっきり言って彼らは日本で稼がなくても全く問題ないほど、本国や他国で人気があります。
ではなぜ日本でもパフォーマンスをするかというと、単純にファンがたくさんいるからです。ニーズがあるのです。
四大ドームツアーも秒速で売り切れ、オリコンセールスも一位です。

むしろ、日本のテレビに出てもらうのも、こちらが出ていただくことをお願いするレベルに世界的に人気のあるアーティストで、米国のテレビでも彼らは特別ゲスト扱いですので、K-POPアイドルと色眼鏡で見てる人は、世界のエンタメの潮流に対して無知すぎると言えます。

話を戻して、この問題の1つの要因として、彼ら自身が自分達の人気の高さや影響力に対して自覚が甘かった、というのがあると思います。
実際のところはどうか知りませんが、浅はかな行為ではあるけれど、たいして深い意味で着用はしていないでしょう。
本人達もいってもまだ20代前半の若者なので、プロデューサーや事務所など、周りの大人達の認識と管理の甘さだと思います。

逆だとあまり知られていませんが、昨年かな?AKBが旭日旗をつけた衣装を身につけ、韓国でものすごいバッシングを受けたことがあります。
件のBTSも、先日秋元康作曲の曲を出すという事になった時、その余波もあって韓国のファンから猛烈なバッシングをうけ、取りやめになりました。

そのように、国際的に活動するアーティストが歴史や政治にかかるようなモチーフのファッションを身につけたり、デザインに採用する際には、様々な捉え方をする人々がいる以上、今まで以上に周囲のスタッフも含めて敏感になる必要があると思います。(自戒も込め、です)

そして、ここからが本題ですが、よしんば彼らが反日思想を持っていたとしても、それとアーティスト活動には何の関係もありません。
彼らは政治家ではなくアーティストです。
国の代表でも何でもないので、思想は自由です。
また、アーティストである以上、選ぶ側にも自由があります。
嫌いなアーティストを無理して見る必要はありませんし、強制されるものでもありません。

そもそも一部の過激な思想を持った人々を除き、反日と呼ばれる思想は、あくまで歴史認識や政治についての話しであり、日本の文化や人々そのものを嫌悪するものでもありません。
その国の政治に対して不満があるからその国では表現活動をするな、というのは論点がずれています。
トランプ政権を批判する日本人のアーティストはアメリカで活動する権利がないでしょうか?
言っている事は同じ事なのですが、どうもお隣の国のこととなると双方のメディアが過激に反応しすぎる傾向にあります。

まあ、お隣の国というのは、世界のどこでも仲が悪いものですからね…。
イギリスとフランスだっていつもバチバチですし。
しかし、そういう考え方は国際社会、地球市民として考えるべく現代には、変えていくべきものの1つだと思います。

繰り返しになりますが、エンターテイメントやアートは政治とは別物であり、異なる文化の人々の心を結びつける、重要な役割を担うものです。
政治で解決できなかった事が、エンターテイメントやアートによって解決できた事例は過去に山ほどあります。
日本と韓国の若者も、文化交流を通じて親しくなっていますよね。

ですが残念なことに、世界中どこにでもこういう話題を政治利用したい人々もいます。そのような扇動に踊らされてしまう事自体もナンセンスです。

最後に余談ですが、なぜBTSが謝罪という形をなかなか取れなかったのか、というと(2018. 11.14 に正式に謝罪表明しています) 、彼らは元々”社会の圧力に負けない”と言ったような、若者のレジスタンス精神の代弁者という立ち位置で売り出されいます。

その意味(弾 = 社会からの圧力)を込めて ’防弾少年団’ という名前なのです。防弾を韓国語ではバンタンと読むので、頭文字をとってBTSです。

彼らは国ごとにパッケージなどを含む路線を合わせてプロモーションしており、それが全世界で人気の秘密でもあるのですが、日本では戦略的にアイドル路線で売っているので、アイドルグループのイメージの方が強く、あまり知られていないかもしれません。

そんな ’防弾少年団’ が社会のバッシングに速攻で屈してしまえば、そりゃあ本国を中心にファンから袋叩きですよね。
そのような立場もあり、自分達でまいた種とはいえ、なかなか謝罪する事も容易ではなかったのだと思います。

文化やエンターテイメントを通じてお互いに知ることで、多様性を受け入れる社会。それは、現代社会が平和な世界になるための第一歩です。

私も仕事を通じて質の高い作品をこれからも提供できるように励みたいと思いますし、若い世代の人達には、何よりそういう思想を一番大切にしてほしいと願ってやみません。

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UX / UIデザイナー、オオカワマリのnote。 IT&テクノロジー情報やマーケティングに関する話題を更新します。
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